祝株式化!個人事業主から法人化のメリットと経緯の紹介
2017/12/01
皆様にお知らせがあります。この度福井のホームページ制作会社「るじねっと」(登記名:LOOSEY)は2017年5月1日を持って【LOOSEY株式会社】に株式化(法人成り)いたしました。個人事業主として立ち上げてから1年2カ月、目標の1つであった株式化が達成されました。
普通のブログなら、こういったご報告と意気込み、大変だったこととかを書いてこれからもよろしくお願いしますと言った具合で終わるのですが、当ブログでは、株式化するメリット・デメリットを中心に自分の経験を通してお伝えしていきます。
株式までの経緯
とはいいつつも、ちょっとだけ株式化までの経緯をお伝えします。
立ち上げてから”クビ”になるまで
2016年2月 立ち上げ
福井で唯一の成果報酬型ホームページ制作会社「るじねっと」(登記名:LOOSEY)を個人事業主として立ち上げ。立ち上げたきっかけが、伊藤忠商事の会長「小林栄三」様が主催している「考福塾」の3期生として参加し、福井出身の第一線で活躍している立場ある方々の話を聞いたのが大きなきっかけです。トップの方々の通常聞けない経験談や自分のやりたいこと、貢献したいことで起業する大切さを学びました。
考福塾については以前に記事に書きましたので、詳しくはこちらをご覧下さい。
しかし、この時収入がまだ不安定だったため、「10月以降に退社する」旨を同時に勤めていた会社に事前に申告しながら兼業していました。
2016年6月 順位の爆上げ
ホームページの立ち上げからたったの「4ヶ月」で【福井 ホームページ作成】というキーワードで圏外から5位に前代未聞の速さでランクイン。そのおかげでWEBからの新規お問い合わせが劇的に増えました。詳しくは下記記事で書いてあります。
2016年7月 突然すぎる”解雇通告”
検索順位も上がり、お客様からの問い合わせが来だした矢先、勤め先の会社から突然すぎる解雇通告。理由が「新しい社員を雇って、両者に給料を支払えないから先に辞めて」とのこと。衝撃的過ぎて、なんとかもう少し雇ってくれないかとお願いしたがそれも叶わず。
正直辞める1ヶ月前に退職願いを出すこともできたが、
「親の会社だし、何より社員が少ない会社ということもあり、急に人がいなくなったら次雇う人を見つけるまで大変だろうから事前に言っておこう」
とだいぶ早い時期に情を出して申告したのがまずかったです。
しかも時期が悪すぎで、契約しているお客様のホームページを立ち上げ前でかつ、成果報酬型で制作しているため、結果が出る前の段階だったのです。
つまり、当分無収入の状態で解雇になりました。(もちろん、まとまった収入が入ってくる時期は全くの未定)
どん底から這い上がっていくまで
2016年10月 奇跡が起こる
なんとか必死に事業を継続するためにもがきましたが、銀行預金残高が一時期「10万円」を切り、「いよいよ覚悟を決めるか」と腹をくくっていた矢先、奇跡が起きました。
福井で最大手のメディア「福井新聞社」が「ふくい創業人」という特集記事に無料で取り上げていただけることになったのです!新聞の1/4ページを大々的に使って宣伝していただき、お問い合わせ数が従来の10倍以上来ました。(さらに鯖江市長にもFacebookでその新聞記事のことを取り上げていただけました)そのおかげもあり、今ではどん底の時期に比べて収入が安定するようになり、お客様も多く増えました。本当に感謝してもしきれません。詳しくは下記記事に書いてあります。
2016年11月 全国からの問い合わせ
福井新聞に取り上げていただき、福井県内の多くのお客様からお問い合わせをいただきましたが、それからしばらくしてから全国からもお問い合わせをいただけるようになりました。
理由が「成果報酬型 ホームページ制作」という言葉やその付近のキーワードで一時期「3位」まで順位を上げることができ、成果報酬型でホームページ制作を探している方々に見つけてもらえる位置まで来ました。
実際に現在県外の業者と1社契約をしており、福井県外へも視野を広めることができるようになりました。
2017年5月 LOOSEY株式会社の設立
そして今月、個人事業主LOOSEY 改め「LOOSEY株式会社」として新たなスタートを切りました。
一時期親からの裏切りがあり、本当のどん底を経験しました。何度も会社を諦めよう・リスクのある成果報酬型ではなく通常の作り方に変えようと心が揺らぎ、折れかけました。
しかし、妻が公私に渡り常にサポートしてくれて、私が落ち込んでいると常に激励してくれました。また契約しているお客様は実績のない弊社を信じて我慢してくれたり、周りの方々に支えられて事業が軌道に乗り、そして株式化することができました。本当に皆様に感謝です。また妻には私を見捨てずに今まで支えてくれたことをこの場を借りて改めて感謝を申し上げます。
2017年12月 大本山永平寺様のホームページを制作
実は2016年10月に福井新聞社様に取り上げていただいた記事をきっかけに大本山永平寺様からお問い合わせをいただいておりました。
1年以上のやりとりをしてようやく12/1にホームページをアップすることができました。詳しくは別記事で書いています。
法人化のメリット
では前置きが非常に長くなりましたが、個人事業主から法人化にするメリットをお伝えします。
信用性の大幅向上
弊社を法人化する際に一番重視したのが「信用性」です。お客様からのお問い合わせがあった際や、周りの温度差を見ているとどこかに「個人だからなぁ」という感情が見えたりしました。特に大手になればなるほどそれは感じました。
1社事例を出すと「株式化してないところとは契約しない」とまで言われたこともありました。当時は「なぜ?」としか思いませんでしたが、今ではなんとなく分かる気がします。
やっている業態が全く同じであっても「聞こえ」や「今までの経験」があるのかもしれません。個人だと、「逃げ道がある・覚悟がない・甘い気持ちがあるんじゃないか?」など、責任的に低く見られがちです。
しかし、「株式会社」とつくだけで、それらの不安が一気に払拭されます。もちろん、全ての方がそう考えるわけではないと思いますが、少なくとも大手は「ちゃんとした会社」と取引を望んでいることが多いため、どうしても個人だとさきほどのように考えてしまうのだと思います。
なので信用性を一番重視して株式化を決断いたしました。
節税効果
節税については税理士さんにお任せしているため、あまり詳しくは知りませんが、個人事業主でやるよりも法人化した方が圧倒的にお得だということでした。
もちろん会社の業種や利益によって変わって来ますが、今年中にその分岐点が来る予想が立ちましたので、早く形上の信用が欲しかったのと含めて株式化の背中を押した要因の1つです。
覚悟が芽生える
個人事業主の時も覚悟を持って仕事をしているつもりでしたが、法人化した後はその気持ちがさらに強まりました。
なんというか、「会社を背負っている」という不思議な気持ちが出てきて、より事業的にも人間的にもしっかりしないといけない気持が強まりました。
こういった気持ちの推移を味わえたので「個人 ⇒ 個人事業主 ⇒ 株式化」という段階を踏めたのはいい経験になりました。
銀行の融資が受けやすくなる
業務上(ホームページ制作業務がメイン)、今後銀行融資を受ける機会がほとんどないと思いますが、銀行からも信用を得やすいらしいです。なぜなら個人事業主はあまり会社として見てくれないそうで(仮に利益を出していても)勤めている会社の実績や利益などを重視して見るそうです。
法人化のデメリット
メリットがあればデメリットもつきものです。
初期費用が多くかかる
初期の登記費用とその準備費用なので30万円近く必要になります。
様々な費用の増加
ネットバンキングや、税理士費用、保険など、法人で契約すると値段は上がります。
手間の増加
法人化するとことあることに「登記を税務署に取りに」行ったり、「書く項目の増加」などちょっとした手間が地味に増えます。特に登記を取りに税務署に行くのは結構の手間で、近くにある方はいいですが、距離がある方だと移動時間と印紙代がかかります。
会社を法人化すること まとめ
会社を法人化(株式化)することで様々なメリット・デメリットがあります。しかし、私が思うにはメリットの方が断然多く、その中で「信用性」が最も向上すると感じました。
よく、「売上1,000万円超えたら」とか「500万円超えたら」などお金目安として法人化を検討するようにという内容のブログや助言を耳にします。確かに大事なことです。私自身も少なくともそれは参考にしていました。
しかし、それよりも周りの会社に「信用してもらう」ことが大事で、もちろん日ごろの業務で信用してもらえるよう精一杯お仕事をすることが大前提ですが、世の中には「個人 <<< 法人」と考える方が多くいます。(特に大手)
悲しいけど「立場」で話を聞いてもらいやすくなる
「自分はそんな立場とか気にせず、本当に中身を見てくれる人としか仕事をしないんだ!」と思う方も多くいらっしゃると思います。私も今でもそれに近い考えを持っていますが、聞く姿勢を持っていない方に対してどれだけ良いことを言っても聞いてもらえません。日本(特に福井県)は立場のある人からの意見であれば通りやすいことが多いです。
例えば研修医が「手術は私がやります」というのと、一般的なお医者さんが「手術は私がやります」と言われるのでは、仮に両者とも同じ能力だったとしても、あきらかに後者の方が信用できますよね。会社もそれと同じで、個人よりも法人のほうが信用してもらいやすのはそういう”立場”があったりします。
会社をやる上で「信用性」というのはいかに大事かこの1年走ってきてよく感じました。もちろん「実績」や「人柄」も大事ですが、「立場」も大事になってきます。今後法人化を検討している方は、信用性も1つの検討の要素としてお考えいただけると、節税で考えるより、より良いタイミングで設立できると思います。
長文となりましたが最後までみていただきありがとうございました。
これから先、弊社LOOSEY株式会社はさらに前へ前と前進して参ります。関係者の方々、契約者の方々、そして支えてくれている方々、これからも何卒宜しくお願い致します。